Cielduino発売
以前から製作していた秋月C基板サイズのArduinoがCielduino(シルディーノ)としてスイッチサイエンスさんから発売されることになりました。パチパチ。今度のMTM07にて販売が開始される予定です。
ご覧の通りの72mm x 47mmのユニバーサル基板サイズです。秋月さんのみんな大好きC基板やサンハヤトICB-88, 288などの一般的な小型ユニバーサル基板とぴったり合います。普通のArduinoの位置に加えてこれらのユニバーサル基板と繋ぎやすい位置にもI/Oピンが出してありますので、高〜いバニラシールド(ま、あれだけ凝った形の少量基板があの値段になるのは仕方ないわけですが)を買わずに全部のピンを使ったシールドを自作することができます。固定穴も同じなので、ちゃんとネジを通してしっかり固定することも可能ですし、凸凹の変な位置に穴開けしなくてもキレイに4点で止められます。
基本的に背の高い部品は一切載っていない状態で出荷されますので、ピンヘッダやDCジャックなどの背の高い部品を付けなければ、非常に薄い空間にも収められます。Ether Shield等Arduinoの背の高い部品を避けるためにピンが長めになっているシールドでも、ピンヘッダを逆にCielduinoの裏に付けるようにしてしまえば、Ether Shieldの上から刺すことで、長くて扱いにくいピンを切ってしまってスッキリと薄く収めることができるようになっています。
また、本体上にもユニバーサルエリアを設けてありますので、ちょっとした回路であれば、別にシールドを作るまでもなく、本体上で済ませてしまうことができて便利です。
レギュレータICも低ドロップ品を使ってあるのでVINに5Vを入れても使えますし、800mAまでと電流も大目に取れるようになっており安心です(高電圧入力で電流を取るとかなり発熱するはずですので、レギュレータが破壊されないように電流を取る場合にはできるだけ低電圧を入れるようにしてください)
回路図と部品表
回路図
部品表
Part | Value | Device | Package | |
C1 | 0.1u | C-NONPOLAR1608 | 1608 | |
C2 | 0.1u | C-NONPOLAR1608 | 1608 | |
C3 | 0.1u | C-NONPOLAR1608 | 1608 | |
C4 | 0.1u | C-NONPOLAR1608 | 1608 | |
C5 | 1u | C-NONPOLAR1608 | 1608 | |
C6 | 10u(1608) | C-NONPOLAR1608 | 1608 | |
C7 | 10u(2012)(NM) | C-NONPOLAR2012 | 2012 | |
CN1 | 6PIN | PINHEADER | 2.54mmPitch | |
CN2 | 8PIN | PINHEADER | 2.54mmPitch | |
CN3 | 8PIN | PINHEADER | 2.54mmPitch | |
CN4 | 8PIN | PINHEADER | 2.54mmPitch | |
CN5 | 8PIN | PINHEADER | 2.54mmPitch | |
CN6 | 8PIN | PINHEADER | 2.54mmPitch | |
CN7 | 6PIN | PINHEADER | 2.54mmPitch | |
CN8 | 6PIN | PINHEADER | 2.54mmPitch | |
CN9 | EH2P | EH2P | EH2P | |
CN10 | DCJACK2.1 | DCJACK2.1 | DCJACK | |
CN12 | 6PIN | PINHEADER | 2.54mmPitch | |
CN13 | 8PIN | PINHEADER | 2.54mmPitch | |
CN14 | EH2P | EH2P | EH2P | |
IC1 | ATMEGA328P-20AU | MEGA328P | TQFP32-08 | |
IC2 | NJM2845 | Regulator | TO-252(MP-3Z) | |
LED1 | ORANGE | LEDCHIP-LED1608 | 1608 | |
R1 | 10k | R1608 | 1608 | |
R2 | 1k | R1608 | 1608 | |
R3 | 1k | R1608 | 1608 | |
R4 | 470 | R1608 | 1608 | |
R5 | 0(NM) | R1608 | 1608 | |
SW1 | リセットスイッチ | TACT-SWTSKB | TSKB-2JL | |
X1(NM) | RESONATOR | RESONATORTHRU | 貫通3pin 2.54mmPitch | |
X2 | RESONATOR | RESONATORCSTCE | CSTCE |
部品表のうちコネクタはすべて未実装です。(NM)が付いているものは完成品では未実装です。基板単体で入手された場合には入手しやすい(or はんだ付けしやすい)部品が使えるようにパターンは両対応にしてありますので、指定の部品が入手できない場合にはこちらの代替品をお使いください。R5だけはちょっと特殊で、FTDIベーシック側からの電源供給がデフォルトではオンになっていますが、何らかの理由でこれを切って再度接続したい場合にマウントすれば良いようになっています。(明らかに手ハンダで、これを付けることも稀なのでこれだけは裏面配置です)X1のパターンはレゾネータではクロック精度的に困る場合に水晶に置換するためにも便利だと思います。普通のHC-49/Sの水晶を貫通穴で取付けて、裏に1608のチップセラミックコンデンサを付ければOKだと思います。
ユニバーサルエリアについて
本体の中心部に9x13のユニバーサルエリアが用意してありますので、ご自由にお使いください。さらにシールド接続用のピンの左右にもユニバーサルエリアがありますので、コチラもLEDを並べてみたりする場合等に便利に使えるかと思います。配線との距離の都合上配線の近くのランドは0.8mm穴になっているものもありますが、基本的には0.9mm穴のランドになっていますので大抵の部品は刺さらなくて困ることは無いだろうと思います。ランドは片面ユニバーサル基板と比べると小さく見えるかもしれませんがスルーホールですので、部品の足に沿ってハンダがスルーホールに吸い込まれていけば十分はんだ付けは接合しているはずですので大丈夫です。
パターンを注視していただければ解りますが、CN8の並びの一番上の行には5Vの電源が2つと、GNDが4つ、R3の隣にもGNDと繋がっているランドを2つ用意してあります。こちらもユニバーサルエリアの電源ラインの配線に便利だと思いますのでご利用ください。
基板単体で入手された方へ
おそらく表面実装部品のはんだ付けにも慣れていて自信もある方でしょうから釈迦に説法かとは思いますが、普段私が手ハンダでこう言うものを作る場合の手順を書いておきます。
普通はディスクリートの熱にも強い抵抗からとは言われますが、他の部品があると邪魔なのと、失敗すると付け直しに甚大な労力を要するQFPから先につけてしまいます。まずは角のピンのランドに軽くハンダを盛って位置を合わせてピンをコテで暖めて仮固定します。引き続き位置を微調整しつつ対角のピンを止めます。位置がバッチリであれば最初に止めたピンに微調整の応力が掛かったままだといけないのでハンダも足しつつ本はんだ付けします。あとはピンもバッチリ揃っているはずですので、他のピンを順にはんだ付けしていきます。必要に応じてフラックスを塗ってピンをコテでなめてあげてハンダがキレイに流れていてブリッジもしていないのをルーペで確認します。もしブリッジが見つかったらハンダ吸い取り線で適宜補修します。
あとは適宜好きな順番に部品を付けていけば良いと思います。IC2の前にC7ははんだ付けしておいた方が良いだろうと思います。C、Rは片側のランドに軽くハンダを盛っては仮固定して反対のはんだ付けしてから再度最初のピンも本ハンダということをしています。リセットスイッチ(SW1)もサイドの固定用のランドのハンダはつけ難いので、ピンからはんだ付けしていった方が良いと思います。
自作ですとArduinoとして動かす時にはファームウェアの書き込みが必要です。CN8に2列のピンヘッダを実装して、AVRISP-IIを接続してArduino環境からファームウェア書き込みができるはずです。(Windows環境でうまく行かない場合もあるようですので、その場合はAVR Studioから書き込んでみてください 参考ページ)薄いままにしておきたい場合は、はんだ付けまでしなくても手で押さえながら書き込んじゃうことも不可能ではありませんが、自己責任でお願いします。(ちなみに製品ではこう言うコネクタを使って書き込みしています)
【2012.2.14追記】そろそろ若干改良したver 1.1が出回り始めるようです。改良点は以下の通りです。
- 横断している配線がピン間2本だったためにSwitchScienceさんのDRCを通らなかったので、仕方なくその両脇だけ0.8mm穴で角ピンとかを刺すにはキツかったんですが、配線をピン間1本で通すように修正したので、ユニバーサルエリアのすべてのランドを0.9mm穴にできた
- 製造上の都合で1608を使う予定だったC6が2012に変更になったのでC7だけが使われてC6が未実装になっていたのを、C6を欠番にしてC6の位置にC7を移動した(元々C6とC7はどちらかが乗っていればOKな設計です)
- GNDパターンを見直して発振子周りはGNDを分離した
- バージョンが確認できるようにDCコネクタのそばにCielduino 1.1とシルクを入れた
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